ものづくり基礎・設計ノウハウ

信頼性評価試験が教えてくれた「数字の裏にある本当の品質」

導入

製品開発では、さまざまな信頼性評価試験が行われます。
温度試験、振動試験、落下試験、耐久試験など、結果はすべて「数値」で示されます。

しかし、私が設計者として経験してきた中で感じたのは、
数字だけでは品質は語れないということでした。

この記事では、信頼性評価試験を通して学んだ「本当の品質」についてお話しします。

評価試験は「合否判定」ではない

信頼性評価試験というと、「規格を満たしているかどうか」を確認するものと思われがちです。
確かに合否は重要ですが、それだけでは不十分です。

例えば、
・ギリギリ合格した製品
・余裕を持って合格した製品
この2つは、同じ「合格」でも意味が大きく異なります。

試験条件は現実より厳しい

信頼性試験は、実使用環境よりも厳しい条件で行われます。
これは短時間で劣化を再現するためです。

私が担当した製品でも、
「実際には起きないレベル」の試験条件で破損が発生しました。
しかしその破損箇所を分析すると、将来的な不具合の芽が見えてきました。

数字の裏にある「変化」を見る

評価試験で本当に重要なのは、
・破壊したか
・動作したか
ではなく、

どこが変化したか

どこに兆候が出たか

なぜそこに集中したかです。

小さな変色、わずかな音の変化、触ったときの違和感。
こうした「定量化しにくい情報」こそが、設計改善のヒントになります。

設計にフィードバックする力

試験結果を設計に活かすためには、
・材料
・形状
・組立方法
を一つずつ見直す必要があります。

私は試験後、必ず
「この結果が市場で起きたらどうなるか」
を考えるようにしていました。

評価試験は「失敗探し」ではなく、「未来予測」なのです。

信頼性評価は設計者を成長させる

信頼性評価試験を経験すると、
設計時点で「ここは危ないかもしれない」と感じ取れるようになります。

この感覚は、教科書では身につきません。
実体験を積み重ねることでしか得られない、設計者としての財産です。

まとめ

信頼性評価試験は、単なる合否判定ではありません。
数字の裏にある変化を読み取り、次の設計に活かすことが、本当の目的です。

品質とは「試験に通ること」ではなく、
長く安心して使えること。

この視点を持つことで、設計は一段上のレベルへ進化します。

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